おとこのすなるにき

コンサドーレ好きな男の日常

早坂良太という男

昨年クラブ史上最高の4位と躍進し、波はあるものの、その攻撃的サッカーの錬度を確実に上げているコンサドーレ

監督ミシャが繰り出すサッカーのキーワードはいくつかあるが、その一つに「運動量」がある。そして必然的にそれを確保するため、かつ、凝り固まったサッカー観を白紙にして新たに複雑怪奇なミシャイズムを植え付けるために、器用される選手の年齢は若ければ若いほど重宝される。

現にチームのスタメン、ベンチ入りメンバーのほとんどが20代前半~中盤の若い選手でスカッドが組まれているのだ。

この冬に、兵藤慎剛稲本潤一菊地直哉といった、まだ一線で活躍出来る選手が新天地を求めたのにも、このミシャサッカーの特質のあおりが少なからずあったであろう。

コンサドーレはその躍進とともに劇的な若返りを計っているのである。

 

 

 

ところが、である。

 

 

 

 

 

 

 

早坂良太という男がいる。

2017年にサガン鳥栖から加入した男は、同期入団の兵藤、田中雄大らがミシャサッカーのあおりを受けて退団する中、コンスタントに出場を重ね、昨年の最終節、ACLを賭けた広島との大一番、そしてさらなる飛躍を目指す今季の開幕戦に堂々と名を連ねたのである。

これは若手を重宝するミシャサッカーにあって、異例とも言える現象でもある。

時にミシャはベテランや中堅をチームの中心据えることがなかったでもない。

レッズ時代の阿部勇樹ボランチセンターバックを担ったようにである。

しかしその役割をコンサでは現在29歳のキャプテン宮澤が担っている。

その宮澤は今や国内屈指のリベロとして縦横無尽にピッチを駆け回り支配している。

……それに加えてである、コンサには、そのリベロに加えて新世紀のサッカーの新機軸とも言えるポジションがある。

それを担うのが早坂良太である。

どういうことか、その早坂良太のポジションの変遷をご覧頂きたい。

2017年(四方田監督)

3-5-2 右ワイド

2018年(ミシャ監督)

3-4-2-1 右ウイングバック、右シャドー、右センターバック

2019年(ミシャ監督)

3-4-2-1 右ウイングバック、右シャドー、右センターバック、ワントップ

 

 

 

おわかり頂けただろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

いったい何の選手なんだ?

 

 

 

 

この疑問符こそが、現代サッカーに革命をもたらす、規定の枠には収まらない、偽9番ならぬ、偽早坂システム時代の産声であると思えてならない。

今のコンサは実質宮澤と早坂のダブルリベロとも言いうるものであり、実質早坂と言っても言い過ぎてはないだろう。

たゆまぬ努力と適応力、そして時代のひずみが産んだ新世界の創造主。えんとつ町のプペル。そんな早坂良太選手について、今改めて考を巡らす必要があるのではないか。

そう思うのである。(つづく)