ロックンロールとYouTuber
世間への批判精神をイデオロギーとしていたロックバンドが市民権を得ると、皮肉なことに自身が新しい〝世間〟となってしまいそのイデオロギーを消失してしまうことはロックンロールが孕む最大の矛盾と言えるだろう。
そして、YouTuberもまたしかりである。
昨年からお世話になっていたフィットネス系YouTubeチャンネルののがちゃんねるも、当初はどこにでもいそうな素朴な女の子が自宅で一生懸命にトレーニングに励む姿がハマり、筆者もまたその一人であった。
しかし、その人気が加速していくに連れ、YouTube以外での露出も増え、最近では大手企業の商品のPRが加わり、おしゃれなホテルの一室でHIITを行い、さらには一部コンテンツの有料化など、その様相がかなり変化して来た。
もちろん、のがちゃん自身の魅力は失われていないし、素晴らしい成功だと諸手を挙げて賞賛したいが、一方で、あの素人臭かったのがちゃんはもういないのだという喪失感を抱く視聴者も少なくないのではないかと感じ、筆者もまたその一人である。
そんな私の心情を見計らったかのように、YouTubeのおすすめ欄に上がって来た動画があった。
【腹斜筋】10分間一緒にきつめの腹筋をしませんか?10mins! Oblique
現役薬学生YouTuber さくら
何だこの意識高い系のイケイケYouTuberは、と思い、初めはスルーしていたのだが、久々に腹筋をやりたいなと思い、視聴したところ、中々のハードさ。
しかものがちゃんのような丁寧な説明は一切なく、黙々とトレーニングに励むスタイルが気に入って、色々と見始めると、なんと今年の4月から筋トレを始めたばかりだというからかなりフレッシュな人を見つけてしまったと思った。始めた頃と全然スタイルが違って筋トレすげーと思いました。
関西弁の独特な話し方が面白く、気に入っています。おすすめです。
けれども、
奥さんやファミリーとは一緒に観ないことをおすすめします。
何故ならば、
完全にスケベなおじさんをターゲットにしているだろうからです。
思わせぶりなサムネイルやタイトルが多々あり、直球過ぎて笑っちゃうものもあります。
関西人の茶目っ気と薬学生の頭の良さからなのか、下品に感じない絶妙なラインをついていて「こいつやるな」といつも思っています。
そのような戦略は見事にハマっているようで、彼女一人がトレーニングしている動画に対して、筋トレ仲間と称する男性が登場する動画は、
いいねの数が露骨に少ないです。
ホント男って馬鹿だなと思いました。
けれどもトレーニングの内容はしっかりしていて、先日僕がインスタグラムに上げたUS ARMYのテスト動画も彼女に触発されてのものでした。
ワークアウト中の音楽もかっこよくて、単純にセンスのいい人なんだなと感心します。とてもおすすめです!
ただ、
視聴環境には十分ご注意下さい。
さ、腹筋しよ。